演繹的教育と帰納的教育
昨日、学習塾で働いている友人と意見交換をしたのでまとめておこうかと思います。
すべての内容を書くとまとまりがないので、本日のテーマは
「演繹的教育と帰納的教育」
ここでは分かりやすく以下のように定義します。
<演繹的教育>
受験スキルや成績などを重視した、理論先行型の教育
<帰納的教育>
感性、経験などを重視した、経験先行型の教育
よく「勉強しかできない」とか「受験スキルしかない」といったことを耳にします。
これが受験や成績をゴールにしている教育の結果ということは、想像に難くないと思います。
理論を先に教えても、経験が伴っていなければ、実際に使うことや、応用することは困難です。
学術が実務に使えなかった・・・と思われる社会人の方も多いのではないでしょうか。
また、後の体験を通じて「あの理論はこういうことだったのか・・・」と納得し、「なぜ昔は分からなかったのか」と疑問に思うことも多いはずです。
これが先に述べた「演繹的教育」の効果です。
逆に、スキルとして問題解決の方法を教えるのではなく、さまざまなことを体験させ、感じ取り、後に理論付けで納得させる。
様々な体験が体にしみ込んでおり、理論も自身の腹に落ちているので、応用が容易です。
そのため、問題解決のスキルを教えられるのではなく、自分自身で見つけ出すことが出来るのです。
これが「帰納的教育」です。
さて、ここまで読むと「では帰納的教育が良いに決まっているではないか」と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
それぞれにメリット、デメリットがあるのです。
帰納的教育のメリット、演繹的教育のデメリットは上に述べた通りですが、演繹的教育のメリットは、その効率の良さ、スピードにあります。
被教育者が既にロジックを十分に理解できるのであれば、帰納的教育以上にその威力を発揮できるのです。
ここまで述べればピンと来る方もいらっしゃるのではないでしょうか。
つまり、教育時期、被教育者の能力によって、この2つの教育方法を使い分けることが重要なのです。
幼少期の帰納的教育から、成人期の演繹的教育へ。
2つの教育のバランスが重要であるということです。